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2010年04月13日

寒い小さな手



帰り支度




最近は日が落ちるの早くなったな




クレーンのそばから海を眺めていた




ふと携帯を見ると姉貴(園長)から着信が入っていた




基本的に着信音はかなり小さめなので波打つ音で聞こえなかったようだ




「おぅ、姉貴。なんや?」




「あー、あんちゃん、仕事はまだやね?ちょっとお願いがあってね」





「いや、もう終わったよ。なんや?」





「いや、うん。あの○○○の事件知ってる?」





「○○○?ん、知ってるよ」





「そう。うん、、子供いたね。男の子。ちょっといろいろ機関で話しててしばらくウチで預かろうと思うんやけど、どう思う?」





「いいんやないか?で、どこにおるんや?」





「○○○の○○のとこ」





「そうか。今日はバイクやから今から向かってもいいよ」





「そう。頼める?ウチも今からちょっと動かなあかんから連絡はウチか夏美(園の子)にしてくれる?
じゃあ住所言うからね」






ある理由で夫婦が捕まった


内容からすぐには出られないことがわかった


つまり、ある所で生活をしなければいけない、ということ




ロッカーに戻り何かの時のためにいつも置いてあるもう一つのメットを手に取り海を離れた




街中は人々でたくさんだった

家路を急ぐ人であり

グループであり

恋人達であり




そんなたくさんの様々な思いが渦巻く中


今この瞬間にでも忘れ去られているであろう小さな魂が確かに今を生きている




いろんなことが頭をよぎる中、バイクで突っ走った




着いた




預かっておられるそこの家の主人に挨拶をし少し話をした




主人はその子と全くコミュニケーションが取れず半ば迷惑顔だった



早く連れて行ってほしい



そう言わんばかりのよくある顔




何度も見て来ている





「ちょっと二人だけで話をさせてもらっていいですか?」





案内されて端にある部屋の前に着いた





ドアを開けて部屋を覗き込んだ






彼は部屋の隅あたりに座っていた







「よぅ。心配すんな。お兄ちゃんは取って食わんから」





覗き込んで目が合った時彼の顔に何かが見えた




彼の目の動きで



予想される何かが




その目を見て俺は、部屋に入る直前に手に下げていたカバンを肩にかつぐように持ち替えた




そして彼のすぐ前までそのままゆっくりと歩いた




子は言った




「すみません!ごめんなさい!」



そしてヒーと声にならない声で泣いた





やっぱりか..





そうや..彼を見て試し確かめた





「○○君やな?大丈夫。怖がらんでいい..○○君?お願いがあるんやけどちょっとお兄ちゃんに胸を触らせてくれへんか?」




ヒーと泣いてる手を握り締めた





行き場のない寂しい小さな手





少しおさまるまでしばらくそうしていた




「よし!じゃあちょっとお兄ちゃんに胸触らせてくれる?なーんにも痛くないからな。大丈夫や」




胸に触れた






そして後ろから抱き締めるような態勢にした





彼の頭に俺の顎を置き、後ろから回した手は彼の腕を掴んでいた





そしてすこしずつ話をした




話が途切れる




途切れたら静かにある歌を歌った





そしてまたすこしずつ話を..





どれくらい時間が経っただろうか





彼の体がだんだんと暖かみを帯びてきた





「よし!お兄ちゃんは○○君のキレイな目見ながら話したいな。いいか?」





彼を一段高いベッドに座らせて俺は見上げる形で話をした




威圧感を与えないために





彼は少し落ち着きを取り戻していた




「○○君?ちょっとお腹見せてくれるか?風邪引いたらあかんからちょっとおまじないしてあげる(^-^)」





彼はめくった





所々が青い





「..やっぱりか」





もう一人の俺が叫ぶ






実の親であろうと幼子の希望の灯火を消す権利はない。ワレの未熟さを棚に上げて都合のいい時に親ヅラすんのは許さんからのぅ

これを見てみぃ!!


自分の親やからと甘んじて受けてきた傷を!



地獄を生き抜いてきた傷や..」







「さぁ、行こうか」







「しばらくお兄ちゃんやらと一緒にいよう。大丈夫やよ。仲間もいる」





伸ばした手をここから先へは伸ばさない




君は、いま君が信頼するもののほうに手を伸ばしたらいい







寂しい手





しかし、希望を掴める手






君は君の魂の望むほうへ






届かなかったが彼は少し手を伸ばした






家を出て姉貴に電話をした




バイクはやはり危ないので1時間後に車で迎えにきてもらうことにした





「○○君お腹減っとるやろう?(^-^)さっきお兄ちゃんちょっと君の腹の虫を聞いてしまってな(笑)もうお兄ちゃんもペコペコや

ラーメン食べに行こか(^-^)」





彼は無言だがうなづいた




小さな手を握った




少し冷たくなった小さな手





この手がいつか希望を掴めるように





一歩を確かめるようにゆっくり







月への道を歩き出した













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posted by 凪の大空 at 12:50| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
今日は。。。言葉が。。。
出てきません。。。。
・・・・・・・・・・・・・・・・・。
その子の心の傷が。。あたたかいぬくもりで。。。少しでも。。。
癒えますように☆☆☆
Posted by こころのはこ at 2010年04月13日 14:54
こんにちは、拍手コメントありがとうございます。
心と体に深く残る大きな傷が、いつか消える日が来るといいですね。
体の傷よりも、心の傷はなかなか癒えないでしょうね・・・
胸が痛みます。
Posted by シンシアK at 2010年04月15日 05:28
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